AI学習技術の進展により、SNSにアップロードされた画像がAIの学習データとして無断で使用される可能性が高まっています。特に、X(旧Twitter)はその利用規約の変更によって注目されています。この記事では、Xの規約に関する詳細と、他のSNSを利用する際の画像保護方法について解説します。
X(旧Twitter)の規約:画像がAI学習データに使用されるリスク
X(旧Twitter)は、2023年に利用規約の変更を行い、ユーザーがアップロードしたコンテンツがAIモデルに使用される可能性を示唆しています。これにより、X上で共有された画像や動画が、AI学習のために無断で使用される懸念が高まっています。
Xの利用規約の変更
Xでは、ユーザーがアップロードしたコンテンツ(テキスト、画像、動画など)が、同プラットフォームや提携する第三者によってAI学習データとして使用される場合があることを規約に含んでいます。具体的には、AI学習に使用するために、投稿されたコンテンツが無期限で使用される可能性があると記載されています。
AI学習から画像を守るための対策
Xを利用しているクリエイターが、AI学習による画像の無断使用を防ぐためには、以下の方法を採ることが効果的です
- ウォーターマークを追加:画像に明確なウォーターマークを加えることで、所有権を主張できます。
- 低解像度でアップロード:高解像度の画像はAI学習に有用ですが、解像度を下げることで学習に適さない情報量にすることができます。
- メタデータの埋め込み:画像に著作権情報や作成者名などのメタデータを埋め込むことで、後でトラッキングが可能になります。
- プライバシー設定を確認:Xには公開範囲を設定できる機能がありますので、投稿する画像の公開範囲を制限することも一つの方法です。
おすすめのSNSと画像保護方法
Mastodon
Mastodonは、分散型のSNSで、ユーザーのプライバシーを重視しています。AI学習に関しても、プライバシー保護を優先する文化があり、Xと比べて画像が無断で使用されるリスクは低いとされています。Mastodonでは、個々のインスタンス(サーバー)によって利用規約が異なるため、どのインスタンスに参加するかを慎重に選ぶことができます。
• 対策:公開範囲を細かく設定でき、特定のグループ内でのみ画像をシェアすることが可能です。
Bluesky
BlueskyもXの代替として注目されている分散型SNSです。Blueskyは、プライバシーと自由度を重視しており、画像やコンテンツの所有権をユーザー自身に委ねています。AI学習データに無断で使用されるリスクを避けるためにも、Blueskyは良い選択肢です。
• 対策:アップロードする前に設定やポリシーを確認し、信頼できる範囲での投稿を心掛けましょう。
Instagramは、Facebook(Meta)傘下のSNSで、コンテンツがAI学習に使用される可能性があります。しかし、Metaの利用規約において、ユーザーがアップロードしたコンテンツは第三者と共有されることがあるという記述はありますが、AI学習に使用されるという直接的な記載はありません。プライバシー設定を活用することで、画像の無断使用を減らすことができます。
• 対策:プライバシー設定で画像の可視性を「自分のみ」や「特定のユーザー」に限定することが推奨されます。
画像保護のための総合的な対策
SNSで画像を共有する際、AIによる学習を避けるために以下のような総合的な対策を講じることが重要です:
ウォーターマークを使用する
画像に目立つウォーターマークを加えることで、無断使用を防ぎ、著作権を主張できます。
このような画像を透かしとして顔付近やその人の絵柄の特徴部分に入れたりすることで、学習時のノイズとして判断されたりするので、抑止力としてもおすすめです。
自身のサインを入れる
機械的な学習対策というよりも、人間の手による無断学習や自作発言、無断使用への対策ですが、絵にそれとなく自分のサインを入れることも、立派な著作権の主張となり効果的です。おそらくノイズとしても判断されるので、これもうまい具合に絵に取り込むと良いでしょう。
解像度を低くする
AIが学習データを収集する際に、画像の詳細な情報を得ることが難しくなります。画像を意図的に低解像度で投稿することが効果的です。
メタデータを活用する
画像に著作権情報を埋め込むことで、後で画像が使用された際に所有権を主張する材料となります。
プライバシー設定を厳密に管理する
SNSのプライバシー設定を活用し、画像の公開範囲を制限することが、無断使用を防ぐための最も基本的な方法です。
AI学習に関する規約を確認する
投稿する前にSNSの利用規約を確認し、AI学習に関する記載があるかどうかをチェックします。AI学習に不安がある場合は、アップロードを避けるか、よりプライバシーが守られるSNSを選ぶことが賢明です。
まとめ
AI学習技術が進化する中で、SNSにアップロードした画像が無断で使用されるリスクは避けられませんが、適切な対策を講じることでそのリスクを減らすことができます。
X(旧Twitter)の規約を理解し、MastodonやBlueskyといったプライバシー重視のSNSを活用することで、画像をより安全に保護できます。画像をアップロードする際にはウォーターマーク、低解像度、メタデータ、プライバシー設定を活用することを忘れずに行いましょう。